雨の日はより情緒があります
裏に竹藪がある雰囲気のいい移築古民家の人気蕎麦店【古庵(こあん)】
今まで食べたことが無いメニュー『温せいろ』を頂いてみました
この日は久しぶりに富士宮産の柔らかいセリを提供されていました
富士宮バイパス(国道139号線・富士宮道路)北山インターチェンジを降り、国道469号線を東側に向かった左側に
営業中の看板が無ければ飲食店としては見過ごしてしまいそうな、竹藪や周辺の木立と一体化した様な戸建て平屋の古びた日本家屋が1軒あります

木々に埋もれたただの古い家に見える
ここが今回ご紹介する日本蕎麦の名店【古庵(こあん)】
長雨が続くこんな日には風情が増すので、特におすすめです
一時幻だった『セリ』の扱いも見られるようになっていました
ー
…私事ですが最近母が亡くなり、仕事もあり忙しい生活(喪主は私では無いのでそれ程でもないのですが)を送る一方で急に虚しくなったり集中力の継続が難しくなったりと、不安定なメンタルで過ごしておりました
ふっと時間が空いた時にダンニャが『古庵にたまには行ってみようか?』と申し出てくれて、思い出したことがありました
蕎麦が大好きだった母が、雰囲気が良さそうだから行ってみたいと、この【古庵】に来たがっていたけれど(もう10年以上前の事)、色々あって とうとう連れて来なかったなと…
特殊な理由があって、連れて来て良かった?連れて来なければ良かった?どちらになったのかは、亡くなった今では分からないけれど、来たがっていた事もあったのだから連れてきてあげれば良かったかな…などと思い、そっと心の中で手を合わせながらダンニャと2人で【古庵】に行って来ました
平日でしたが県内外のナンバーの車も次々と到着し、開店からそう時間が経たないうちに最後の大テーブルに通された2人組は『この後の利用者があった場合は、相席になるかも知れない事を承知してください』と言われていました
平日でも開店前から利用客が並ぶ人気蕎麦店です
メニュー
今回伺った際のお蕎麦は、『天ぷらそば』のような温かい蕎麦メニューはありませんでした
・ざるそば …1050円
・おろしそば …1450円
・天ざるそば …2100円
・天おろしそば …1950円
・茄子おろしそば…1600円
・温せいろ …1900円
※天ぷら3品付き
・ざるそば小天丼セット1800円
もう秋なので茄子蕎麦も美味しそうですね
お蕎麦は以前と変わっていなければ、北海道や長野産の丸抜きを石臼挽きで使用されていると思います
天だねは季節感を反映されている事が多いので、天ぷらも楽しみです
椿の花だったり、庭で取れたお茶の新芽だったり…
初めて『イチジク』を天ぷらで頂いたのも【古庵】だったと記憶しています
蕎麦メニューの他には
・天ぷら盛り合わせ…1600円
・野菜かき揚げ …700円
・もつ煮・川えびの唐揚げ
・角煮・いか三升・そばみそ
・おひたし
などがあり、ビール・日本酒・焼酎などのアルコール類、ソフトドリンクやコーヒー
甘味として『おしるこ』が650円(※小450円)で用意されています
また、メニューには書かれていなかったのですが『今日はセリが提供できます(300円)』とお聴きして、ダンニャもダヤンも両方セリのトッピングでお願いしました
富士宮産のセリはみるくて(柔らかくて)芳香が素晴らしいことで有名で、【古庵】のせり蕎麦は特にイチ推しだったのですが…セリ農家の後継者問題で提供できなくなったと長い間聴いていましたので、(毎回あるとは限りませんが)これは朗報っ!
花番さんが、並んだ順に席へ案内しお茶をふるまっていき
入店した順にオーダーをとって行きます
店舗によってはお茶を出している最中にオーダーするお客の注文を先に通してしまったりする店舗がありますが、【古庵】ではあくまでも順番通り
この気遣いは嬉しいですね
今日は1番乗りでしたので、店内で一番雰囲気のいい奥の席に座り

先に出される、【古庵】特製の大根と人参のぬか漬けに鰹節と醤油を垂らした蕎麦前を頂きながら、緑が残る竹林を窓越しに観て提供を待ちます
温せいろそば(天ぷら三品付き)+セリ
温かいつけ汁(辛汁)で、冷たく〆たざるそばを頂くのが『温せいろそば』

天ぷらが3品付きます
今回はセリを追加してあります
鴨南ざるや豚や鶏つけ麺等だと『冷熱』でそんな感じになりますが、肉の使用が無い分 辛汁と蕎麦との直球勝負になります
ダンニャがオーダーした『ざる』の辛汁(冷)と舐め比べてみましたが、薫り・風味・味ともに全然違っていますし
ましてや『天ぷらそば』や『とじ蕎麦』のような温かく甘みがあるそばつゆとも全然違います
冷のほうが塩っぱめで、温かいつけ汁と比べると角がある感じ
温の辛汁も濃く温蕎麦のつゆとは全然甘さや濃さが違うのですが、みりん等の甘さがマイルドで角も無いのですが酒感も感じて、温かい分すすった際の薫りの立ち方も濃厚です

液面にかいわれが一つまみ、はらりと浮いているのが粋ですね
基本的に温かい蕎麦を余り好んで食さないダヤンですが、寒い時にはこの温せいろは良いなぁ…と思いました
薬味も『わさび・ネギ』では無く『生姜・ネギ』になっていますので、蕎麦湯もすすみます
蕎麦湯は底の方に少し沈殿物がある、自然なさらりとした蕎麦湯でした
そして、やはり『セリ』美味しいです!

目が覚めるような美しい緑が蕎麦の上で映えますが、わずかな苦みとシャクシャクとした歯応えがありながらも柔らかい食感とセリ特有の薫りが、のど越しの良い蕎麦の旨味を引きたてます
ざるにも合いますが、温かい辛汁で頂いた方が香りが際立っていたような気がします
お天ぷらは3品とありましたが『かぶ・茄子・ししとう・海老』の4点盛でした

【古庵】の天ぷらは淡い黄金色で、衣が薄く素材の旨さが引きたちます
特に『かぶ』のお天ぷらが瑞々しくて秀逸!
サクッとしたあとじゅわ~と野菜の甘みが口に広がりますし、長く残した茎葉部分も鮮度が分かり贅沢です
海老は完全に火が通ってしまっているのがダヤン的には残念なのですが、ほくほくしていて中々の太さのもので美味
『温せいろそば』とっても気に入りました
ざるそば小天丼セット+セリ
ダヤン1人で【古庵】に来ると大抵このセットをオーダー
今回はダンニャがオーダーしていました

今回はセリを追加で
少しだけ幅がある のど越しがいいお蕎麦は、富士宮界隈でも上位の美味しさだと思う

辛汁は器に入っているので終わり(※徳利型の追い汁は無い)です
不思議なもので、同じ麺類の『うどん』ではあまり環境とか雰囲気とかは気にならないのだけれど、なぜか蕎麦屋は蕎麦屋然とした凛とした静かな環境を求めてしまいがち
そこへいくと【古庵】は落ち着いていてBGMにはJAZZが似合う様な大人な環境で、雰囲気としても上位クラスだと思う
それ故に名実ともに人気が高いのだろうと思います
小天丼は甘めの濃厚だれが絡んだもちもちした白米丼で、海老・なす・かぼちゃ・しし唐の4天だねが載っています
ご飯は女性のお茶椀1杯くらいの軽めの盛りで、蕎麦と丼のセットながら女性でも安心してペロリと食べてしまえるくらいの丁度いい量です
おしるこ(小)
【古庵】に来たらこの『おしるこ』は欠かせません!
塩味の効いた粒あんで仕立てたおしるこには、ひと口大の小さな焼餅が入っています
家でおしるこを作る時はお餅を焼かずに入れてしまう事が多いのですが、焼餅のおしるこは液が濁らず上品ですね
外のカリッと焼きあげられた部分と、中のむにゅっと柔らかい部分も楽しめます
『小』にはお餅1個

このおしるこの優しい甘さと、空いたピースを埋める様な物量(?)で毎回〆で頂いています
あ!おしるこを食べる前に
蕎麦前のお漬物数切れを残しておくことと、蕎麦湯をお膳から外しておしるこを楽しんだ後の〆で頂くと良いと思います
外観・店内
ずっとここに佇んでいた古民家の様に見えますが、2006年のある日 突然ここに出現した築年数160年余りの古民家を移築した戸建ての小さな日本家屋

入口の板塀やタカノハススキ、その他の野草が生い茂り良い雰囲気ですが
目立つような看板は設置されておらず、『古庵』と店名を刻んだ古木も字が擦れ(趣はありますが)周知する看板としての役割はあまり果たしていないようにも感じます
【古庵】を知らずに、営業時間外でこの前を通過した方にはこの外観は、風情のある無人空き家家屋のように映るかも知れません
そういう意味では『隠れ家的な』という表現はあっていると思います
定刻で花番さんが現れ白い暖簾をかけ、『商い中』の札をかけ、門扉代わりに左右に渡していた板を外すと生命が吹き込まれたように、それまで止まっていた時間が動き出すような感覚があります

木門をくぐり飛び石が並ぶアプローチを左に進んでいくと、建物の入口が見えます

扉自体は木枠に擦りガラスをはめた大きな引戸にみえますが、通用門として空くのは左下の1部
(※赤い部分)

小柄な女性でも腰を屈めなければ頭をぶつけそうな引き戸の潜り戸で、その際には頭だけでは無く、足元の太い敷居に躓かぬよう注意をしながら入らなければなりません
店内
潜り戸を抜けると、目の前に広い土間が広がっていて、灯り取りの低い小窓から柔らかな明るさが差し込んでいてその脇には蹲が置かれています

植物が自生しています
靴は奥におかれた式台を利用しながらそこで脱いで、靴箱には入れずにそのまま揃えて土間に置きます

テーブルに案内される方は 上がりまちから室内履き(スリッパ)に履き替え、畳の座卓に通される方はそのまま店内に進みます

天井と建物中央には剥き出しになった太い柱や梁、板の間天井部分は外観からは想像もつかない様な高さがあり開放感があります(天井板を抜いてあります)
店内は左手が厨房・お会計口
店内は静かにJAZZが流れ、凛とした空気感に包まれています
板の間ホール中央には立派な天然木を1枚板の天板にした長テーブルが置かれ、奥の窓からは裏手の竹藪が見えるネイチャーウインドウになっていて、雨の日は雨の日の、晴れの日は晴れの日の風情があり

長テーブルは奥が並んで4人(時々対面に席を設け4人で利用されている事もありますが)
入口側が4人で利用できるような席配置になっています
右手側には繋がった畳の部屋が2つ

座卓が3卓ほど並んでいますが、冒頭に記載した通り2人で大きな座卓を割り当てられた場合は相席になる事があるかも知れません

化粧室は昔1度利用させて頂きましたが、畳の部屋を抜け室外に出て縁側廊下を進んだ突き当りにある、昔ながらの外トイレ場所(トイレ自体はリフォームしてあります)だと記憶していますので、利用の際には花番さんに声をかけ利用します
裏庭は立ち入り禁止になっています
アクセス・場所・駐車場情報
富士宮バイパス(富士宮道路・国道139号線)を北山ICで降り、『本門寺東信号交差点』を国道469号線を東(右折)に向かって進んでいきます
信号交差点から900m、名称の無い信号交差点に出ます
そこの交差点左角が【古庵】になっています
駐車場情報
駐車場は、国道469号線側に4~5台ほど
敷地東側に3台の計7~8台ほどが停められるようになっています
駐車場は舗装されておらず、古木を土に埋めた状態で枠線が描かれています
久しぶりに富士宮道路北山IC近くにある蕎麦店【古庵(こあん)】に行ってみました
確定ではありませんが、タイミングがあえば富士宮産の『せり』に出逢えるかも知れません
一見質素に見える外観からは思いもよらない移築古民家の趣のある内装で頂く『せりそば』は格別です
【古庵(こあん)】
住所
静岡県富士宮市山宮2649−23
電話番号
0544‐58‐7793
営業時間
11:30~14:00
定休日
月曜日・第3火曜日
駐車場
あり・無料|敷地内に7~8台
その他
公式HPはこちら⇒Instagram【古庵】🔍
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